
いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:fukuyamaです。パワーポイントのグリッド線について、表示・非表示方法やショートカットキー、印刷や活用方法など様々な点から見ていきます。
パワーポイントのグリッド線とは、スライド上に表示できる方眼目盛のような機能です。
資料をパワーポイントで作る際、図形・画像・テキストなど様々なオブジェクトをスライド上に配置しますが、グリッド線を活用することで綺麗に配置しやすくなります。
パワーポイントのグリッド線について情報をまとめたので、あなたの資料作りに少しでも役立てば嬉しいです。
パワーポイントでグリッド線を表示させる方法
パワーポイントのグリッド線は、次の2ステップで簡単にスライド上へ表示させられます。
- 「表示」をクリック
- 「グリッド線」をクリックしてチェックを入れる
1.「表示」をクリック
「表示」をクリックします。

2.「グリッド線」をクリックしてチェックを入れる
「グリッド線」をクリックしてチェックボックスにチェックを入れれば、スライド上へグリッド線が表示されました。


グリッド線を消す時はチェックを外すだけ
表示させたグリッド線を非表示にしたい場合は、チェックボックスをもう一度クリックしてチェックを外すだけでOKです。

グリッド線の表示・非表示ショートカットキー
上記で見ていただいたのは、パワーポイントの編集メニューから設定する手順ですが、ショートカットキーを使えば、グリッド線の表示・非表示を瞬時に切り替えられます。
グリッド線を表示・非表示させるショートカットキー
Shift+F9
パワーポイントのグリッド線を細かくする方法
パワーポイントのグリッド線は、グリッドの細かさを調整できます。
ただし注意してほしいのは「グリッド=マス目の大きさ」ではない点です。
1グリッド=点一個
グリッド線を拡大してみると、たくさんの点が並ぶことで線を作っているのが分かります。つまり点線ですね。
パワーポイントでは、点一つで1グリッドとなっており、グリッドの細かさを調整できると言っても、点と点の間隔を調整することを指しているため、マス目の細かさを調整できるわけではないんです。

正確に言うと、マス目の細かさは調整できますが、次のような条件があります。
- デフォルトのマス目よりも大きくできる
- デフォルトのマス目より小さくはできない
実際にグリッドの間隔を調整してみると分かりやすいので、上記を踏まえて、設定する手順を詳しく見ていきましょう。
グリッド線の間隔を調整する手順
- 「表示」タブをクリック
- 「表示」グループ右下の矢印をクリック
- 「グリッドの設定」で間隔を調整する
1.「表示」をクリック
「表示」をクリックします。

2.「表示」グループ右下の矢印をクリック
グリッド線のチェックボックスがある「表示」グループの右下に矢印が付いているため、クリックしましょう。

「グリッドとガイド」のダイアログボックスが開きます。

3.「グリッドの設定」で間隔を調整する
「グリッドの設定」で数値を指定することによって、間隔を調整できます。

左側では、規定の数値11種類+ユーザー定義から選択でき、右側ではあなた自身で数値を細かく設定可能。
規定の数値について、もう少し詳しく見ていきましょう。
マス目の大きさは2×2cmが最小
「グリッドの設定」にある「間隔」の左側で選べる、規定の数値のうち、8グリッド/cm~2cmは、マス目の大きさがすべて2×2cmで、代わるのはグリッド(点)の間隔だけ。

3~5cmの設定は3×3cm、4×4cm…このようにマス目が大きくなります。
2×2cmの正方形オブジェクトを配置した状態で比較すると、それぞれのグリッド線がどのように変わっているのか分かりやすいです。


また「○グリッド/cm」の表記は、1cmの中にグリッド(点)が○個あることになり、「○グリッド/cm」はすべてマス目が2×2cmなので、5グリッド/cmの場合1マスの辺は10グリッド(10個の点で出来た点線)になっています。

パワーポイントでグリッド線は印刷できる?
整った資料を作りたい時に便利なグリッド線ですが、印刷には反映されません。
- 印刷
- スライドショー
- PDF出力
このように、印刷以外の出力でもグリッド線は反映されず、パワーポイントの編集画面にだけ表示されます(スクリーンショットには写ります)。
しかし、グリッド線を印刷したい場合もありますよね。
下記のように、グリッド線と似た線であれば印刷できるので、あなたの求めるデザインに近づけるかもしれません。
- 線オブジェクトで点線を引く
- 背景を格子パターンで塗りつぶす
2つの設定方法を、それぞれ詳しく見ていきましょう。
グリッド線の代わりに線オブジェクトで点線を引く
- 「挿入」をクリック
- 「図形」から「線」をクリック
- Shiftを押しながらマウスドラッグして線を引く
- 線を右クリックして「図形の書式設定」を選択
- 線の色・幅・点線の種類を選ぶ
- Ctrlを押しながら点線をマウスドラッグして隣に複製
- F4キーを押してスライドの端まで点線を複製
- 横軸用に点線を一本余分に複製
- 余分に複製した点線の片端を引っ張り横向きにする
- 縦軸の幅と同じ正方形を作る
- 横軸の点線と正方形を配置する
- Ctrlを押しながら横軸の点線をマウスドラッグして複製
- F4キーを押してスライドの端まで点線を複製
1.「挿入」をクリック
「挿入」をクリックします。

2.「図形」から「線」をクリック
「図形」から「線」をクリックします。

「挿入」ではなく「ホーム」タブにも「図形」ボタンはあるため、どちらでもOKです。
3.Shiftを押しながらマウスドラッグして線を引く
Shiftを押しながらマウスドラッグすると、垂直・平行に線が引けるので、スライドの端に引きましょう。

今回は縦線から作っていますが、横線から作ってもOKです。
4.線を右クリックして「図形の書式設定」を選択
線を右クリックして、下から2番目にある「図形の書式設定」を選択しましょう。

画面右側に「図形の書式設定」ウィンドウが表示されます。

5.線の色・幅・点線の種類を選ぶ
線の色・幅を決めたり「実線/点線」で好みの点線を選びます。

点線は種類が選べるだけでなく、幅によって点線の見え方も変わるので、微調整してデザインを決めましょう。

6.Ctrlを押しながら点線をマウスドラッグして隣に複製
Ctrlを押しながら点線をマウスドラッグすると複製できるので、隣に作りましょう。

この時、複製した位置(マウスを放した位置)で、マス目の幅が決まります。
もし何cmなど厳密に決めたい場合は、事前に縦横幅を指定した正方形オブジェクトを作り、1本目の線に片側の辺をピッタリくっつけて、もう片側の辺にピッタリ重なるように2本目を複製しましょう。

数値を指定して正方形オブジェクトを作る方法
縦横幅の数値を指定して正方形オブジェクトを作るには、次の手順で進めましょう。
- 「挿入」をクリック
- 「図形」をクリックして「正方形/長方形」を選択
- マウスドラッグして四角形を作る
- 「図形の書式」をクリック
- 「サイズ」で高さ・幅を入力
1.「挿入」をクリック
「挿入」をクリックします。

2.「図形」をクリックして「正方形/長方形」を選択
「図形」をクリックして「正方形/長方形」を選択します。

3.マウスドラッグして四角形を作る
スライド上でマウスドラッグして、四角形を作りましょう。

次のステップで幅を指定できるため、ここではサイズや比率は気にしなくて大丈夫です。
4.「図形の書式」をクリック
「図形の書式」をクリックします。

5.「サイズ」で高さ・幅を入力
「サイズ」で高さ・幅を入力しましょう。

グリッド線のように縦横幅が揃ったマス目を作るためには、今作っている縦軸の点線だけでなく、横軸の点線も幅を揃える必要があります。
横軸の点線を作る際もこの四角形を使うので、高さ・幅は同じ数値にして正方形を作りましょう。
あとは「6.Ctrlを押しながら点線をマウスドラッグして隣に複製」の最後にお話しした通り、正方形を使って1本目の点線から2本目の点線を複製すればOKです。

7.F4キーを押してスライドの端まで点線を複製
F4キーを押すと、一つ前の動作を繰り返します。
この機能を利用して、点線を複製したあとF4キーを押せば、押した分だけどんどん複製されていくので、スライドの端まで複製しましょう。



8.横軸用に点線を一本余分に複製
次に横軸の点線を作っていくので、一本余分に複製しておきます。

9.余分に複製した点線の片端を引っ張り横向きにする
点線の両端にはハンドル(白い○)が付いています。

余分に複製した点線の片側をマウスドラッグで引っ張り、垂直な縦線から平行な横線に変えましょう。

ある程度平行な位置にマウスドラッグしていくと、パワーポイントのスナップ機能によって、ピッタリ平行な角度で吸い付くように止まってくれます。
10.縦軸の幅と同じ正方形を作る
「6.Ctrlを押しながら点線をマウスドラッグして隣に複製」で、既に正方形オブジェクトを作っている場合は次に進んで頂いてOKです。
正方形オブジェクトを作っていない場合は、作った縦軸の点線の幅に合わせて正方形を作りましょう。
縦横幅が同じ綺麗なマス目を作るために、ここで作った正方形を定規の代わりにします。
「図形」の「正方形/長方形」を選択した状態で四角形を作る際、Shiftを押しながらマウスドラッグすれば正方形になるので、縦軸の点線の幅に合わせて正方形を作ればOKです。

11.横軸の点線と正方形を配置する
横軸の点線をスライドの端に移動させ、正方形は片方の辺が点線とピッタリ重なるように配置します。

12.Ctrlを押しながら横軸の点線をマウスドラッグして複製
縦軸と同じ要領で、Ctrlを押しながら横軸の点線をマウスドラッグし複製します。
正方形のもう片側の辺にピッタリ重なる位置へ複製しましょう。

13.F4キーを押してスライドの端まで点線を複製
これも縦軸と同じように、F4キーを押して横軸の点線を複製していきましょう。


最後に正方形を削除すれば、グリッド線の変わりとなる点線は完成です。

スライドマスターに設定するのがお勧め
今回は通常のスライドでグリッド線の代わりとなる点線を作り配置していますが、すべての点線を切り取りスライドマスターへ貼り付けて背景化するのがお勧めです。
スライドマスターとは、すべてのスライドや特定のスライドレイアウトごとに、デザインを一括で設定できる機能です。
特徴の一つとして、スライドマスターで配置したオブジェクトは、通常のスライド編集画面で選択・編集できず背景のようになるため、間違って点線を動かしてしまうような心配がなくなります。
すべてのスライドに点線を背景として設定したり、特定のスライドだけに設定もできるため、スライドマスターを活用しましょう。
グリッド線の代わりに背景を格子パターンで塗りつぶす
パワーポイントには塗りつぶしの種類として「パターン」があり、ドットやストライプなどの模様・柄を使って、オブジェクトを塗りつぶせます。
パターンの一種である「格子」は、グリッド線に似ているため、あなたの求めるデザインによっては代用できるかもしれません。

ただし、パターンの柄は拡大・縮小ができないため、グリッド線よりもマス目がかなり細かくなることに注意しましょう。
- スライド上で右クリックして「背景の書式設定」を選択
- 「塗りつぶし(パターン)」をクリック
- 格子柄を選択
- 「前景」「背景」の色を選択
1.スライド上で右クリックして「背景の書式設定」を選択
スライド上で右クリックしてメニューを開き、下から2番目にある「背景の書式設定」を選択しましょう。

画面右側に「背景の書式設定」ウィンドウが開きます。

2.「塗りつぶし(パターン)」をクリック
「塗りつぶし(パターン)」をクリックします。

3.格子柄を選択
格子柄は全部で3種類あり、グリッド線に近いのは「格子(点)」です。

ただし、この後に見ていただく配色でも印象が変わるため、色を変えながらほかの格子柄も見て決めるのがお勧めです。

4.「前景」「背景」の色を選択
パターンの配色を設定します。
「格子(点)」の場合は「前景」が点線部分になるので、資料の背景デザインとして使う場合は、薄いグレーなど目立たない色に設定しましょう。

これで、グリッド線の変わりとなる格子パターンができました。

パワーポイントでグリッド線を活用しよう
パワーポイントのグリッド線を上手く活用できると、綺麗に整った資料が作りやすくなります。
グリッド線は方眼紙のように、平行・垂直な線がスライド上へ表示されるため、オブジェクトを縦横に整列させたり、配置のバランスも取りやすくなるんです。
グリッド線は常にスライドの中央へ表示される
グリッド線は、スライドに対して縦・横ともに中央へ揃えて表示されます。
下の画像のように、左右端のグリッド線からスライド端までの距離は等しく、上下端も同じです。

「マス目の大きさは2×2cmが最小」で見ていただいたように、2×2cmを最小としてマス目を大きく調整できますが、どのようなサイズに調整しても、グリッド線はスライドの中央へ表示されるようになっています。
もちろん、スライドの大きさや比率を変えても中央揃えは変わりません。

そのため、どのようなスライドサイズやグリッド線の設定であっても、オブジェクトを綺麗に配置できるんです。
左右の余白・上下の余白を揃えているつもりだったけれど、グリッド線を表示してみたら思っていたよりズレていた…このような間隔の違いにも気付きやすくなりますね。
グリッド線のスナップ機能
グリッド線の表示・非表示ができる「表示」グループの設定項目で、右下にある矢印をクリックし「グリッドとガイド」のダイアログボックスを開きます。


一番上の「位置合わせ」にある「描画オブジェクトをグリッド線に合わせる」へチェックを入れて、「OK」をクリック。

上記の設定をすると、オブジェクトをマウスドラッグで移動させる際、グリッド線に沿って吸い付くようになります。
もしかすると吸い付く感覚が分かりづらいかもしれませんが、グリッド線を表示している状態・非表示の状態で、オブジェクトをマウスドラッグでゆっくりぐるぐると動かして比べてみると分かりやすいです。
「描画オブジェクトをグリッド線に合わせる」の設定がオフ、またはグリッド線が非表示になっている場合は、マウスドラッグの動きが滑らかですが、設定がオンの状態でグリッド線を表示している場合は、周囲のグリッド線に吸い寄せられるため、マウスドラッグの動きがガクガクします。

白紙または「描画オブジェクトをグリッド線に合わせる」をオフにしている状態よりも、オブジェクトがグリッド線に合わせやすくなり、綺麗な配置も簡単です。
最後に。
ここまで私と一緒に見ていただきありがとうございます。
パワーポイントのグリッド線は、使い慣れていないと、場合によってはかえって邪魔になったり見づらくなることもあるかもしれません。
そのため、必要な時にだけ表示して使ってみましょう。
ショートカットキーの「Shift+F9」を覚えておくと、気軽に表示・非表示が切り替えられるため、より使いやすくなるのでお勧めです。