
いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:fukuyamaです。パワーポイントで単位をピクセルにして、スライドや図形を画像保存したい時に見ていただきたい内容です!
パワーポイントで資料や画像を作成する際、サイズの単位をピクセルにして作りたい場合もありますよね。
スライドや図形のサイズをピクセルに指定して作る方法をまとめたので、あなたの資料作りに少しでも役立てば嬉しいです。
パワーポイントでサイズをピクセルにする方法
パワーポイントは、スライドや図形などのサイズがすべてcm(センチメートル)になっていますが、環境設定などで単位をピクセルにするような項目はありません。
しかし、下記の式を元に希望のピクセルで計算すれば、あなたの指定したいピクセルが何cmなのか分かります。
希望のピクセル数 × 0.026458 = パワーポイントに入力する数値(cm)
例:幅1,080px × 高さ1,920pxのスライドにしたい場合
1,080 × 0.026458 = 28.57464(幅)
1,920 × 0.026458 = 50.79936(高さ)
→ 幅に28.57464(cm)、高さに50.79936(cm)を入力
上記の数値でスライドを作成し、jpgやpngなどで画像として保存すると、1,080 × 1,920pxになります。
桁数が多いので難しく見えてしまうかもしれませんが、実際は電卓で出した数値をそのままコピー&ペーストしているだけ。
なぜ上記の計算式になるのか、単位やパワーポイントの仕組みなどについて知りたい場合は、続けて見てもらえると嬉しいです。
スライドや図形のサイズ変更については、それぞれ下記へ進みましょう。
パワーポイントのスライドサイズをピクセルで指定する方法
パワーポイントの図形サイズをピクセルで指定する方法
「○px」と入力しても正しい数値にならない?
例えば、図形などオブジェクトのサイズを入力する項目では単位がcmになっていますが、このcmは数字と同じように削除できます。

そのため、入力されている数値をcmごと削除して「100px」のようにpxの単位まで入力すると、自動で数値が変換されるんです。
しかし、私の環境のパワーポイントで試してみたところ、正しい数値に変換されませんでした。
実際の例を見てみましょう。
計算式で希望ピクセルが何cmなのか求める
希望のピクセル数 × 0.026458 = パワーポイントに入力する数値(cm)
100px × 100pxの図形にしたい場合、最初にお話しした上記の計算式を使うと、次のように幅と高さが求められます。
100 × 0.026458 = 2.6458
…幅・高さに2.6458cmと入力すれば100px × 100pxになる
入力欄へ直接「100px」と入力する
計算式で、100pxは2.6458cmと分かりましたが、今度は幅・高さの入力欄へ「100px」と直接入力してみます。
入力した後、別の入力欄をクリックすると、ピクセル単位から自動でcmに換算されますが、2.6458cmではなく1.76cmになってしまいました。

バージョンなど環境によっては、pxの直接入力でcmの正しい数値に変換される可能性もありますが、計算式でcmを算出し入力した方が確実なのでお勧めです。
1ピクセルが何cmなのかは解像度(dpi)で決まる
そもそも「○ピクセル=○cm」は、解像度によって変わるものなので、正解が一つではありません。
解像度とは、1インチの中にピクセルがいくつあるかを示すもので、分かりやすく言うと「画質」のこと。

dpiと呼ばれる単位を使いますが、dpiは「dots per inch(1インチあたりのドット数)」を略したものです。
ピクセル(ドット)は画素とも呼ばれる小さな点で、点がたくさん集まることによって画像を作るため、1インチのピクセル密度が高いほどピクセルは細かくなり、より繊細な高画質になります。
パワーポイントでは解像度が96dpi
「自分の環境だと解像度は何dpi?」このように考えるかもしれませんが、パワーポイントの解像度に関する設定を変えていなければ、考える必要はありません。
パワーポイントのスライドを画像として保存した時の解像度は、デフォルトで96dpiになっています。
そのため、96dpiを基準に考えていけばOKです。
1インチ=2.54cm
解像度は「1インチの中にピクセルがいくつあるかを示すもの」とお話ししましたが、そもそも1インチはどのくらいかと言うと、1インチ=2.54cmです。
インチはピクセルと違って、環境に左右されず「1インチ=2.54cm」と決められています。
パワーポイントでサイズをピクセルにする計算式の構成
一度、最初の計算式に戻ってみましょう。
式に使われている0.026458は一体何なのかと言うと、ここまで見ていただいた、ピクセルや解像度が関係してきます。
おさらいすると、
- 1インチ=2.54cm
- パワーポイントのスライドを画像として保存した時の解像度=96dpi
それぞれこのような数値なので、下記の計算によって1ピクセルあたり何cmなのか算出できるんです。
2.54cm ÷ 96px = 0.026458cm/px
「96dpi=1インチの中に96pxある」と言い換えられるため、上記の式では96pxになっています。
以上を踏まえて、パワーポイントでは1px=0.026458cmになり、下記の計算式でピクセルをcmに変換できるんです。
希望のピクセル数 × 0.026458 = パワーポイントに入力する数値(cm)
パワーポイントのスライドサイズをピクセルで指定する方法
パワーポイントでサイズをピクセルにする計算式が分かったので、スライドサイズをピクセルで指定したい時の手順を見ていきましょう。
- 「デザイン」をクリック
- 「スライドのサイズ」で「ユーザー設定のスライドのサイズ」をクリック
- 幅・高さを入力して「OK」をクリック
- スライドサイズの拡大縮小方法を選択
- 「ファイル」をクリック
- 「名前を付けて保存」をクリック
- ファイル名・保存先・ファイル形式を指定して保存
- エクスポートするスライドを指定
- 保存先フォルダから画像を右クリックして「プロパティ」を選択
- 「詳細」タブで幅・高さを確認
1.「デザイン」をクリック
「デザイン」をクリックします。

2.「スライドのサイズ」で「ユーザー設定のスライドのサイズ」をクリック
「スライドのサイズ」をクリックしてメニューを開き、一番下にある「ユーザー設定のスライドのサイズ」を選択しましょう。

「スライドのサイズ」ダイアログボックスが開きます。

3.幅・高さを入力して「OK」をクリック
希望のピクセル数 × 0.026458 = パワーポイントに入力する数値(cm)
上記の計算式を使って出した数値を、幅・高さそれぞれに入力しましょう。

画像の例ではスライドサイズを500px × 500pxにしようとしているので、
500px × 0.026458 = 13.229cm
この計算で出した13.229を、幅・高さに入力しています。
最後に「OK」をクリックしましょう。
小数点第四位以下は四捨五入される
計算式で出した数が小数点第三位よりも長い場合、幅・高さの入力欄へ数字を入れると、小数点第四位以下は自動で四捨五入されます。

例:計算式で出た数が15.8748の場合
15.8748を入力すると自動的に8が四捨五入されて15.875になる
4.スライドサイズの拡大縮小方法を選択
スライドサイズをどのように拡大縮小するか選べます。

スライドの中にオブジェクトを何も配置していない場合は、どちらを選んでも同じなので、どちらでもOK。
もしテキスト・図形・画像など、何かオブジェクトを配置している場合は、下記のようにオブジェクトのサイズが変わります。
最大化 | スライドのサイズ変更によってオブジェクトがスライドからはみ出す場合、オブジェクトのサイズをスライドいっぱいまで広げる。 |
---|---|
サイズに合わせて拡縮 | スライドのサイズ変更に合わせてオブジェクトのサイズも拡大・縮小する。 |
どちらか選択すると、スライドのサイズが変わりました。

5.「ファイル」をクリック
ここまでの工程でスライドのサイズを変えられましたが、ここからは希望のピクセルでスライドを画像保存できるのか、確認していきましょう。
まずは「ファイル」をクリックします。

6.「名前を付けて保存」をクリック
「名前を付けて保存」をクリックします。
7.ファイル名・保存先・ファイル形式を指定して保存
保存先やファイル名を決めます。
また、ファイル名の下にある拡張子が「PowerPoint プレゼンテーション(*.pptx)」になっているので、画像のファイル形式を選択しましょう。
下記2つは、画像のファイル形式でとくに多く使われる拡張子です。
- JPEG ファイル交換形式(*.jpg)
- PNG ポータブル ネットワーク グラフィックス形式(*.png)

選んだら「保存」をクリックします。
8.エクスポートするスライドを指定
画像として保存するスライドを選ぶダイアログボックスが開き、すべてのスライドを画像保存するか、今開いているスライドだけを画像保存するか選べます。
「すべてのスライド」はスライド一枚一枚が画像として保存され、自動でフォルダが作成されてすべての画像がフォルダ内にまとめられる仕組みです。
今回は、スライドを希望のピクセルで画像として保存できるか確認するだけなので「このスライドのみ」をクリックしました。

9.保存先フォルダから画像を右クリックして「プロパティ」を選択
指定した保存先フォルダを開き、保存した画像を右クリックして「プロパティ」を選択します。

10.「詳細」タブで幅・高さを確認
プロパティウィンドウが開くので「詳細」タブをクリックし、「イメージ」の欄にある幅・高さを確認しましょう。

例では500px × 500pxで作るために幅・高さを13.229cmと入力しましたが、きちんと500pxになっていますね。
パワーポイントの図形サイズをピクセルで指定する方法
図形サイズをピクセルで指定したい場合はどのように進めるのか、手順を詳しく見ていきましょう。
ただし、スライドを画像として保存する場合に使える方法なので、図形だけを画像として保存する場合は「図形をどのように画像保存するか」を見てもらえると嬉しいです。
- ピクセルでサイズ指定したい図形をクリック
- 「図形の書式」をクリック
- 「サイズ」に高さ・幅を入力して「OK」をクリック
1.ピクセルでサイズ指定したい図形をクリック
ピクセルでサイズ指定したい図形をクリックして、選択している状態にします。

2.「図形の書式」をクリック
「図形の書式」をクリックします。

3.「サイズ」に高さ・幅を入力して「OK」をクリック
右端の方に「サイズ」の編集項目があるので、下記の計算式で出した数値を、高さ・幅それぞれに入力します。
希望のピクセル数 × 0.026458 = パワーポイントに入力する数値(cm)
今回の例は、高さ200px幅500pxで指定するために、下記の計算で出した数値を入力しています。
200px × 0.026458 = 5.2916cm(高さ)
500px × 0.026458 = 13.229cm(幅)


これで図形サイズをピクセルで指定できましたが、注意点もあるので、続けて見てもらえると嬉しいです。
図形をどのように画像保存するか
上記で見ていただいた手順は、ピクセルでサイズ指定した図形を使って資料スライドを作り、スライドを画像として保存する場合に使える方法です。
注意してほしいのは、図形だけを画像として保存する場合。
パワーポイントではスライド単位だけでなく、作った図形だけを画像として保存できるのですが、その場合は上記の手順で図形を作ると、計算が合わず希望通りのピクセルになりません。
理由は、図形の画像保存・スライドの画像保存で解像度が違うからです。
図形だけを画像保存する場合のピクセル計算式
スライドを画像として保存した時の解像度は、デフォルトで96dpiでしたが、図形だけを画像保存した時の解像度は330dpiです。
ただし、パワーポイントのバージョンによって変わる可能性があります(2025年7月25日現在/バージョン 2506で私が試した結果は上記の解像度になりました)。
もし、図形だけを画像保存する時に図形サイズをピクセル指定したい場合は、計算式が変わるので、解像度330dpiでは次の式を使いましょう。
解像度330dpiの場合
希望のピクセル数 × 0.0076969696969697 = パワーポイントに入力する数値(cm)
この式は「パワーポイントでサイズをピクセルにする計算式の構成」で見ていただいた内容に倣って、下記の計算式で出された数値を使っています。
2.54cm ÷ 330px = 0.0076969696969697cm/px
図形サイズをピクセル指定して図形だけを画像保存する手順
パワーポイントで作った図形だけを画像保存する時に、図形サイズをピクセル指定したい場合の手順を見ていきましょう(図形を画像保存する際の解像度:330dpiを前提にしています)。
- 「パワーポイントの図形サイズをピクセルで指定する方法」を「2.「図形の書式」をクリック」まで進める
- 「サイズ」に高さ・幅を入力して「OK」をクリック
- 図形を右クリックして「図として保存」をクリック
- ファイル名・ファイルの種類・保存先を指定して「保存」をクリック
- 保存先フォルダから画像を右クリックして「プロパティ」を選択
- 「詳細」タブで幅・高さを確認
1.「パワーポイントの図形サイズをピクセルで指定する方法」を「2.「図形の書式」をクリック」まで進める
「パワーポイントの図形サイズをピクセルで指定する方法」を「2.「図形の書式」をクリック」まで同じように進めます。
図形が選択されていて、上部の編集タブが「図形の書式」になっている状態です。

2.「サイズ」に高さ・幅を入力して「OK」をクリック
「サイズ」に高さ・幅を入力して「OK」をクリックする工程も「パワーポイントの図形サイズをピクセルで指定する方法」と同じですが、入力する数値を出すための計算式が変わります。
解像度330dpiの場合
希望のピクセル数 × 0.0076969696969697 = パワーポイントに入力する数値(cm)
今回は例として200×400px(高さ200px幅400px)で進めます。
200px × 0.0076969696969697 = 1.53939393939394cm(高さ)
400px × 0.0076969696969697 = 3.07878787878788cm(幅)
「サイズ」の高さに1.53939393939394cm、幅に3.07878787878788cmを入力すると、小数点第三位以下は四捨五入されて高さは1.54cm、幅は3.08cmになりました。

スライドサイズは小数点第四位以下が四捨五入されましたが、図形サイズはこのようにスライドサイズよりも一桁少ないです。
3.図形を右クリックして「図として保存」をクリック
図形を右クリックしてメニューを開き「図として保存」をクリックします。

4.ファイル名・ファイルの種類・保存先を指定して「保存」をクリック
ファイル名・ファイルの種類・保存先を指定して、最後に「保存」をクリックします。
デフォルトではファイルの種類がPNGになっているので、PNGの拡張子で画像保存したい場合はそのままでOKです。

5.保存先フォルダから画像を右クリックして「プロパティ」を選択
指定した保存先フォルダを開き、保存した画像を右クリックして「プロパティ」を選択します。

6.「詳細」タブで幅・高さを確認
プロパティウィンドウが開くので「詳細」タブをクリックし、「イメージ」の欄にある幅・高さを確認しましょう。

今回の例では幅400px × 高さ200pxで進めましたが、希望通りのピクセルになっていますね。
最後に。
ここまで私と一緒に見ていただきありがとうございます。
ピクセルとかインチとかよく分からない…このような場合も、今回見ていただいた計算式に当てはめれば、簡単にパワーポイントのサイズをピクセルで指摘できるので、ぜひ試してみてくださいね。