
いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。お客様との商談アポイントを取るのって、本当に大変ですよね。
飛び込み営業、テレアポ、フォーム営業、知り合いからの紹介、交流会への参加…アポイントを取る方法はたくさんありますが、どれも時間と労力がかかります。
特にテレアポなんて、何十、何百、いや何千と電話をかけて、ようやく話を聞いてもらえる時間を作ってもらう、まさに根気のいる仕事です。
電話や直接会って話せるからこそ、お客様との関係を築きやすく、話を聞いてもらいやすいのは確かですが、時間とコストをかけた割に、なかなか契約に結びつかないことも多くて、営業担当者にとっては頭の痛い悩みでもありますよね。
1社でも多く商談の機会を得るためには、フットワークの軽さ、時間、そして資金が必要な「人海戦術」が当たり前でした。
しかし、デジタルマーケティングが発達した現代では、時間こそかかるものの、費用対効果に優れたアポイント獲得の方法があり、それがホワイトペーパーマーケティングです。
ホワイトペーパーマーケティングとは、マーケティング活動の中にホワイトペーパー(特定テーマの情報をまとめた資料)を組み込むことで、お客様からの問い合わせや商談、契約へとつながるきっかけを増やす活動のこと。
この方法をうまく活用すれば、無駄な行動や時間、資金を使わずに、新しいお客様や既存のお客様から「ちょっと話を聞きたい」「その話、詳しく知りたい」と、お客様の方からアポイントにつながる仕組みを作ることができます。
では、ホワイトペーパーがどのようにしてアポイント獲得につながるのか、詳しく見ていきましょう。
- 目次
- ホワイトペーパーがアポ獲得につながるって、どういうこと?
- ホワイトペーパーがアポイント獲得に繋がる2つの大きな効果
- ホワイトペーパーはなぜアポイントにつながるの?その本質とは
- アポ獲得に繋がるホワイトペーパーを作るには?
- ホワイトペーパーによるアポイント獲得の流れ(一般的な例)
- ホワイトペーパー経由でアポ獲得をするメリット・デメリット
- ホワイトペーパーを活用したアポ獲得のコツ
- 最後に
ホワイトペーパーがアポ獲得につながるって、どういうこと?
ホワイトペーパーは、営業やマーケティング活動の中で使う、お客様との接点を作り、関係を深めていくためのマーケティングツール(資料)です。
お客様が知りたいと思っているテーマについて、あなたの会社ならではの独自性や専門性を、わかりやすく噛み砕いて目に見える形にしたもの。
この資料を通じてお客様が内容を理解することで、あなたとお客様との関係性や信頼感が深まり、結果としてあなたの会社が競合他社よりも優位に立つことができ、アポイントにもつながってくる。
将来的な売上を作るため、特にBtoB企業(企業向けにビジネスを行う会社)にとって、ホワイトペーパーはぜひ持っておきたいマーケティングツールと言えます。
ホワイトペーパーがアポイント獲得に繋がる2つの大きな効果
ホワイトペーパーがアポイント獲得へつながる理由として、主に次の2つの大きな効果があり、この効果を理解しておくだけでも、ホワイトペーパーがどう活用できるのかイメージが次々と沸いてきます。
自社に対する評価向上により自然な相談件数の増加
お客様は普段から、どの会社がどんなソリューションに強いのか分かっていないですし、調べてもいません。
最近業務で困ったことが起きてきたタイミングになって初めて、解決したい対象に関する情報を探し出す。
何か知りたいと思った時は、分からない不安からまずは、色々な情報を手探りで探しますが、次の段階へ進むと「誰に相談したらいいのか」へ変わってくる。
そうなった時に、情報記事だけではなく、ホワイトペーパーの形式にした、専門性を含んだ資料媒体を提供することで、「この会社は専門知識があるな」「信頼できそうだな」と感じもらえ、あなたの会社への評価が高まることで、お客様が次の行動を起こそうと思った時に、相談されやすい立場が自然とできあがります。
これがホワイトペーパーによる、アポ獲得に繋がる第一の効果。
単純接触効果で親近感と信頼性の向上
何度も企業側から提供されるホワイトペーパーに触れることで、お客様はあなたの会社や担当者に対して自然と親近感を抱くようになります。
これは、繰り返し接することで対象に好意を抱きやすい、単純接触効果と呼ばれる心理効果によるもの。
人間関係でも同じですが、初めて出会う人よりも、昔から何度もコミュニケーションをしてきた友人の方が、信頼できますよね。
何度も繰り返し接触しているのは、裏を返せば嫌な気持ちを抱いていないとも言えるため、心理的なつながりが構築できており、これがアポ獲得に大きく貢献してくれます。
ホワイトペーパーはなぜアポイントにつながるの?その本質とは
ホワイトペーパーがなぜお客様のアポイント獲得につながるのか。
その本質は、あなたの会社への「評価」が高まることで、お客様にとって「ただの他人」から「相談相手」へ格上げされるからです。
ここで注意してほしいのは、ホワイトペーパーを一つ手にとってもらったからといって、すぐアポイント獲得につながるわけではないこと。(ここを焦ってはいけません)
評価を築くのはとても難しいことで、これは人間関係でも同じことが言えますよね。
自分に置き換えて考えてみれば、初対面の人をいきなり心から信用することなんてできないのと同じで、ホワイトペーパーを一度見てくれたからといって、「今がチャンスだ!」とばかりに営業アピール全開で向かっても、お客様は引いてしまう可能性が高い。
お客様が次の段階へ進むタイミングを見逃さないこと
お客様は、最初の時点ではまだ十分に知識がなく「情報収集」の段階が多く、この情報収集フェーズを突破できないと、先に進めません。
情報収集フェーズがある程度進み、さらに具体的な行動へ移ろうとする「行動フェーズ」へ移った時、これまで貴重な情報や役立つ情報を提供し続けてくれた人(または会社)に対して、「信頼」と「権威」を感じます。
そして、お客様が解決したい特定テーマに対する「専門家」としてあなたの会社や担当者が認識されると、「この人だったら話を聞いてもいいかな」と、初めて前向きなアポイント獲得につながるのです。
テレアポや訪問営業と比べて時間はかかりますが、お客様から見て「後ろ向きなアポイント承諾」にならないのが特徴。
さらに、ホワイトペーパーを見てくださった方からのアポイント獲得を目指すには、お客様が今どのような状況にいて、どう動きたいのか、そのタイミングを把握しておくことが非常に重要です。
あなたの会社が営業したいタイミングと、お客様が話を聞きたい、あるいは聞いてもいいと思えるタイミングが全く違うことを理解できれば、タイミングを図るのにホワイトペーパーが非常に役立つツールとなります。
アポ獲得に繋がるホワイトペーパーを作るには?
ホワイトペーパーを、普段使っているような相手に対して直接説明ができる、営業資料・社内資料と同じように考えてしまうと、期待する効果はなかなか得られません。
それには、ホワイトペーパーの「立場」を理解することが重要です。
ホワイトペーパー3つの立場
直接内容を説明できない
ダウンロードも読むのも、お客様の行動次第であり、あなたが隣で説明することもできません。
最初から直接説明できない状態が確実なので、その想定ができているかによって、作り方が変わってきます。
じっくり見る時間や気持ちの余裕があまりない
お客様は忙しいので、細部まで読み込む時間がなく、関心もまだそこまで高くない段階かもしれません。
さらに分かりにくい内容であれば、せっかくダウンロードまでしてもらえたのに、すぐゴミ箱行きも確定。
すぐに答えが欲しいと思っている
何か疑問や課題があってホワイトペーパーをダウンロードしているので、早く解決策やヒントを得たいと思っています。
時間をかけて…ではなく、今すぐの回答を求めているため、グダグダと説明がなく求めた情報がない、またはすぐたどり着けないと感じれば、読むのすらやめてしまいます。
前提を踏まえたホワイトペーパー制作が必要
これらの前提を踏まえると、誰かの手を借りることなく、パッと見てお客様自身で理解できる内容にすることが大切です。
ただし、これは事前知識がない「情報収集」フェーズのお客様向けの話。
逆に、ある程度の知識があり、もっと具体的な情報が知りたい「検討」フェーズのお客様には、提供する情報に厚みを持たせたりします。
何が言いたいかというと、お客様の状況に合わせた情報提供になっているかどうか。
どのように制作するかよりも、「誰に何を伝えるのか」が最も重要となり、むしろそこがしっかりできていれば、余計な制作作業(ライティングやデザイン)に時間をかける必要もなく、効率的に完成まで進められます。
そして大切なのは、読者の「知った」と「理解・納得した」には大きな差があること。
ただ「知った」レベルでは、すぐに忘れてしまったり、他社のオウンドメディアなど別の情報を取りに行ってしまったりして、せっかくの機会を失ってしまう。
しかし、「理解した」「納得した」と読者本人が感じたのであれば、その情報と情報提供者(あなたの会社や担当者)が一緒に記憶へ定着し、忘れにくくなります。
これを続けることで、お客様との関係性がどんどん築かれ、アポイント獲得へとつながっていくのです。
ホワイトペーパーによるアポイント獲得の流れ(一般的な例)
ホワイトペーパーを経由してアポイントが獲得できるまでの一般的な道のりを見ていきましょう。
流れ | 項目 | 説明 |
---|---|---|
STEP1 | 見込み顧客がオウンドメディア(ブログ、公式サイトなど)へたどり着く | 企業側の集客施策によって呼び寄せられている。 |
STEP2 | ホワイトペーパー(ノウハウ系)をダウンロード | 自分たちの課題を解決するためのノウハウやヒントが欲しいと思っている。 |
STEP3 | メールマガジンで関連記事やホワイトペーパー(ノウハウ系)紹介 | ダウンロードしてくれたお客様へさらに役立つ情報を提供。 |
STEP4 | 関連ホワイトペーパー(ノウハウ系)を再度ダウンロード | お客様は提供される情報に価値を感じもっと詳しく知りたいと思い始める。 |
STEP5 | メールマガジンで関連記事やホワイトペーパー(事例系)を紹介 | ノウハウだけでなく「実際にどう解決できたのか」具体的な事例に興味を持つお客様もいる。 |
STEP6 | 関連ホワイトペーパー(事例系や製品・サービス関連)をダウンロード | 事例を読んだり具体的なサービスに興味を持ち始めたお客様は具体的な情報へと移っていく。 |
STEP7 | 電話やメールでアプローチ | お客様が次の行動へ移ろうと思ったタイミングでコミュニケーションを取る。 |
STEP8 | 具体的な情報の収集フェーズだと判断し電話またはメールでアプローチ | ノウハウから事例、そして製品・サービス関連の資料ダウンロードといったお客様のアクションを確認できたら、お客様の興味が次の段階へ進んだと判断し、一度アプローチする。 |
STEP9 | アポイントの獲得 | お客様がアプローチを受け入れてくれたら、アポイント獲得。 |
STEP10 | 商談 | アポイントが取れたらいよいよ商談。 |
このように、ダウンロードしてもらった資料のテーマから、見込み顧客の関心度がどこへ向かっているのかを推測できます。
それを頼りにアプローチすることで、やみくもにコミュニケーションをとるよりも、アポイントの獲得がスムーズに進んでいく。
しかも、一度アポイントの打診をして断られたとしても、繰り返しメールマガジンによる情報提供(ナーチャリング)を続ければ、いつかお客様が「話を聞きたい」と思うタイミングが改めて来るかもしれません。
自社の顧客リスト(ハウスリスト)からの見込み客の引き上げやアポイント獲得がホワイトペーパーによって進むので、やらない手はありませんよね。
ただし、メールマガジンを送る際には、お客様の状況を正確に把握するためにも、メール配信システムやMAツール(マーケティングオートメーションツール)などを活用して、データの見える化をすることがおすすめ。
そうすることで、お客様の行動を細かく追跡し、最適なタイミングでアプローチできるようになります。
ホワイトペーパー経由でアポ獲得をするメリット・デメリット
マーケティング活動にホワイトペーパーを取り入れてアポイント獲得を進めることには、たくさんの良い点があります。
しかし、悪い点もありますので、メリットとデメリットの両方を確認しておきましょう。
メリット
企業の専門性が伝わった状態で話ができる
お客様はすでにあなたの会社の専門性を理解しているので、スムーズに話を進めることができます。
ホワイトペーパーをダウンロードするなどお客様の能動的な行動の延長線上に打ち合わせの機会が自然と創出される
お客様が自ら情報を求めて行動した結果なので、強制感がなく、前向きな打ち合わせにつながりやすいです。
再現性があるため同じタイプのお客様に対するマーケティング施策が効率化できる
一度成功したホワイトペーパーは、同じような課題を持つ別のお客様にも応用できるため、効率的な営業活動が可能です。
デメリット
ホワイトペーパーを制作・活用したからといって必ずアポイントにつながるとは限らない
ホワイトペーパーはあくまでツールであり、完璧な結果を保証するものではありません。
1回ではなく何度も繰り返しホワイトペーパーとの接触を促すためツールの導入が必須になる
お客様の見込引き上げ(育成)には時間と手間がかかるため、それを効率化するためのシステム導入が必要になる場合があります。
再現性を見つけられるまで検証し続ける必要がある
どのホワイトペーパーが、どのようなお客様に効果的なのか、試行錯誤を繰り返して最適な方法を見つける必要があります。
ホワイトペーパーを活用したアポ獲得のコツ
ホワイトペーパーの効果を最大限に高め、アポイント獲得の割合を増やすには、いくつかコツがあります。
これらのコツは、特別なスキルが必要なく、再現性も高いものなので、すぐに実践で試せますよ。
コツ① 複数のテーマで制作する
お客様によって興味を持つテーマや響く表現が違うため、色々なホワイトペーパーを用意して試してみましょう。そうすることで、最初の見込み顧客(リード)獲得の母数が増え、その後のアポイント獲得の割合も自然と増えていきます。
コツ② アポイントの連絡をする担当者自身の名前でメールマガジンを送る
見込み顧客がホワイトペーパーをダウンロードする際、多くの場合「会社」として捉えています。しかし、実際にアポイントを取り、商談を進めるのは現場担当者。そのため、メールマガジンなどでの見込引き上げ(育成)の際には、実際にアポイントを取る担当者名で継続的にアプローチしましょう。担当者への親近感や信頼性が徐々に形成され、「この人なら話を聞いてもいいかな」と思ってもらいやすくなります。
コツ③ 一気に専門性を引き上げ「権威性」を獲得する
何か困ったときに相談したい相手として、専門家がよく選ばれますよね。そのため、圧倒的な品質と情報量を持つホワイトペーパーを制作して提供もしてみましょう。そうなると、あなたの会社から感じられる専門性の高さが一気に高まることで「権威性」へと変わり、お客様に話を聞いてもらいやすくなります。
コツ④ 情報提供だけではない現場ですぐ使えるものを提供する
基本的には情報提供で活用するホワイトペーパーですが、ある程度知識が溜まっている人は、次のフェーズ(具体的な行動)へ進みたいと考えていることも多くあります。そのため、情報だけでなく、フォーマットやテンプレートなど、実際の業務にすぐ取り入れられるものを提供することで、お客様にとっての「お役立ち感」がさらに高まり、権威性も増します。
コツ⑤ 営業担当者のプロフィールをホワイトペーパー内に入れる
実際に営業する担当者のプロフィールをホワイトペーパーの中に入れ、毎回その人が解説しているような雰囲気にしていくことで、お客様との親近感が増し、話を聞いてもらいやすくなります。人は、顔が見える相手に対して安心感を抱きやすいものです。
最後に
企業が本当に望んでいるのは、お客様に提案や要求を「受け入れてもらい、納得してもらう」こと。
しかし、これは商談のかなり後のタイミングで起きることです。
それなのに、多くの営業活動では、まず「話を聞いてもらう」タイミングで「話を受け入れてもらうこと」までを同時にやってしまおうとしており、これではお客様は引いてしまうばかり…。
お客様に話を聞いてもらうには、お客様が「話を聞いてもいい」と思ってくれる状況を、あらかじめ作っておかなければなりません。
ホワイトペーパーは時間がかかるものの、着実にお客様の中で「話を聞いてくれる」「話を受け入れてもらう」状況を作ることができ、だからこそ、ホワイトペーパーはアポイントの獲得につながるのです。
ホワイトペーパーによるアポイント獲得は、即効性を求めるものではなく、中長期的な視点で焦らず取り組むことが大切だと覚えて、ぜひマーケティング活動にお役立て頂けますと幸いです。