商談につながるホワイトペーパー活用

  • | 公開 2025年06月12日
ホワイトペーパー
商談につながるホワイトペーパー活用

いつも見て頂きありがとうございます!「エンプレス」の編集部:sugiyamaです。営業・マーケターがホワイトペーパー経由で獲得したい商談は、どうすれば増えるのか解説しています。

「せっかく作ったホワイトペーパーなのに、全然商談につながらない…」
「ダウンロード数はそこそこあるのに、なぜか成果が出ない…」
「もう何をしたらいいのか分からない…」

もしこのように感じているなら、それはあなただけではありません。

多くの企業が同じ悩みを抱えているのも、ホワイトペーパーはただ作ればいいものではないからです。

単に資料を作るだけでは、商談につながることはほとんどないのが実情。

この記事では、ホワイトペーパーを本当の意味で商談につなげるための考え方と、具体的な方法をわかりやすくお伝えしていくので、活用頂けますと幸いです。

「商談につながるホワイトペーパー」って、そもそも何?

まず、このテーマでよくある誤解を解いていきましょう。

多くの方が考える「ホワイトペーパーの質」や「商談」の言葉の意味が、実は本当のゴールとは少しズレていることがあります。

ホワイトペーパーの「質」って何のこと?量やデザインだけじゃないの?

「ホワイトペーパーの質を上げましょう!」と言われると、つい「もっとページ数を増やそう」「デザインを豪華にしよう」と考えがちですよね。

もちろん、これらも大事な要素ですが、「質」の本質はそこではありません。

本当の「質」とは、「読んだ人が内容をしっかり理解し、心から納得できるかどうか」、ここに尽きます。

考えてみてください。

どんなに分厚い本でも、読みにくかったり、内容が頭に入ってこなかったりしたら、あなたも途中で読むのをやめてしまいませんか?

逆に、たとえ薄い資料でも、自分の悩みがズバリ解決できる内容で、スッと頭に入ってくるものなら、「これはすごい!」と感じるはずです。

どちらの目線で制作しているか

企業がホワイトペーパーを作る時はどうしても、

「自社の製品やサービスを売り込みたい…」
「会社の魅力を伝えたい…」
「契約がほしい…」

このような気持ちが先行しがちであり、これが「企業目線」でホワイトペーパーを作ってしまう落とし穴です。

しかし、ホワイトペーパーをダウンロードする「読者」は、あなたの会社のためにダウンロードするのではないですよね。

みんな自分自身が抱えている悩みや課題を解決したい、そのためのヒントが欲しい、と思ってダウンロードしている。

だからこそ、ホワイトペーパーは「読者の期待に応え、できれば期待を上回る」内容でなければなりません。※ ただし読者や企業側の状況にもよる

読者にとっての分かりやすさが重要

そして、その内容が専門用語だらけで分かりにくかったり、複雑すぎて頭に入ってこなかったりしたら、どれだけ素晴らしい情報でも意味がなくなってしまう。

読者が内容を「理解」し、「なるほど、そういうことか!」と「腹落ち(納得)」できた時、初めてそのホワイトペーパーの「質が高い」と言えます。

この「質の高い」ホワイトペーパーだからこそ、読者は「この会社は信頼できる」「この情報、本当に役に立った」と感じ、あなたの会社に対して興味を持ち始め、この興味がようやく商談へとつながる最初の一歩になるわけです。

つまり、何よりも優先すべきは、読者があなたのホワイトペーパーの内容を「理解」でき、深く「納得」してもらえること。

ここを徹底的に追求することが、商談を引き寄せる信頼獲得への最短ルートなのです。

ホワイトペーパーの質とは読者に対して…
間違い:ページ数を増やす、文章量を増やす、デザインをリッチにする
正解 :情報が腹落ち(納得)できたかどうか

実は商談には3つの段階がある

私たちが「商談」と発する時、一言で片付けてしまいがちですが、その中身はお客様の状況によって大きく3つのレベルに分かれます。

すでに違いを把握されていると思うのですが、改めて確認してみましょう。

1. 情報提供型商談

情報提供型商談とは、お客様がまだ漠然と「仕事で困っている」「もっと良い方法はないかな」と感じている段階で、具体的な解決策や製品はまだ探していないケースです。

たとえば、会社の「人手不足で業務が回らない」課題に対して、どんな対策があるか、どう改善すればいいか、まだ調べ始めたばかりの状況なので、具体的な製品の導入まで考えていません。

情報提供型で商談する目的

お客様の「お困りごと」をじっくりお聞きし、それに対して一般的な情報や、世の中のトレンド、他社の成功事例などをお伝えすること。

すぐに製品を売り込むのではなく、「あなたの課題、よく分かります。実はこんな解決策の考え方があるんですよ」と、お客様の理解を深めることを目指します。

お客様は「この会社は私のことを理解してくれる」「専門的な知識があるな」と感じ、信頼感を持ち始めることで、お客様にとっては「まず安心して話せる相手」が見つかり、企業としても次に繋がるチャンスを得るわけです。

2. 相談型商談

相談型商談とは、お客様が、すでにいくつかの情報を集め、「もしかしたら、こんなサービスが良いのかな?」と考え始めている段階。

しかし、「うちの会社に本当に合うのかな?」「費用はどのくらいかかるんだろう?」と具体的な疑問や不安を抱えています。

例えば、会社の「人手不足を解消するために、タスク管理ツールが良いかもしれない」とあたりはつけているものの、自社に最適なツールがどれなのか、どう導入すればいいのか、具体的な悩みが表に出てきているケースです。

相談型で商談する目的

お客様の具体的な状況や課題をさらに深く聞き出しながら理解し、お客様の会社にとっての「最適な解決策の方向性」を一緒に考えること。

例えば、「このやり方だと、御社の場合こんなメリット・デメリットがありますね」など、お客様の状況に合わせたアドバイスを提供します。

このタイミングではことは急がず、まだ自社製品をゴリ押しするのではなく、「お客様のパートナー」として、課題解決の糸口を一緒に探す姿勢が大切。

お客様は「こんな風に親身に相談に乗ってくれるんだ」と感じ、さらに信頼が深まったり、「無料でここまで教えてくれるのか」と価値を感じてもらえると、次のステップに進むハードルがぐっと下がります。

3. 提案型商談

提案型商談とは、お客様がすでに「この課題を解決するために、こういうサービスを導入しよう」と具体的に検討を進めている段階。

複数の会社を、すでに比較検討しているケースが多いかもしれません。

例えば、いくつかのタスク管理ツールを比較検討しており、最終的にどのツールにするか、価格や機能、サポート体制などを詳しく知りたいと考えている状況です。

提案型で商談する目的

ようやく自社製品・サービスの具体的な機能、使い方、価格、導入事例、そしてそれがお客様にとってどれだけ役に立つかを詳しく説明できるタイミング。

デモンストレーションを行うのもこの段階です。

「うちの製品が、御社の課題を一番解決できますよ」と自信を持って提案しながら、お客様は具体的な導入を視野に入れているため、この段階での説明は非常に重要です。

お客様の状況に応じた異なる商談レベルがある

あなたの会社が提供する製品やサービス(たとえば、高単価で長期的な関係が必要なものか、比較的安価で即決されやすいものか)によっても、どのレベルの商談をゴールにするかが変わってきます。

この違いを理解することが、ホワイトペーパーを有効活用し、最終的に「商談につながった!」と喜べる結果を出すための第一歩となります。

なぜホワイトペーパーは「商談につながりにくい」の?その根本原因と「勘違い」

「ホワイトペーパーを作れば、すぐに商談が増えるはず!」

もし、あなたがそう思っているなら、それは大きな間違いかもしれません。

ホワイトペーパーがなかなか商談につながらないのには、いくつかの理由があります。

理由① 企業と読者の「温度差」が開きすぎている

想像してみてください。

あなたは、家のWi-Fiが遅くてイライラしていますがそんな時、まず「Wi-Fiが遅い原因と解決策」をネットで検索しますよね。

その解決策として、ある企業のブログで「Wi-Fi速度改善のコツ」が記載されたホワイトペーパーを見つけ、ダウンロードしました。

この時、あなたの目的は何ですか?
すぐにその会社のWi-Fiルーターを買おうと思いますか?

全然違いますよね。

あなたは、「目の前の遅いWi-Fiを、できればお金をかけずに自分で何とかしたい」と思っているはずです。

しかし、ホワイトペーパーをダウンロードした直後に、その会社から「当社の最新ルーターは、今すぐお買い得!」と電話がかかってきたら、どう感じるでしょうか。

「え、まだ買うつもりないんだけど…」
「情報が欲しかっただけなのに、いきなり売り込み?」

と、気持ちが上向いていない状態なのに営業されて、ゲンナリしてしまいますよね。

これが、企業側と読者側の「温度差」です。

温度差の違いが結果に大きく影響

企業側
「せっかくダウンロードしてくれたんだから、早くうちの製品の魅力を伝えたい!」
「このホワイトペーパーをきっかけに、商談につなげたい!」

読者側
「自分の課題を解決したい」
「情報が欲しいだけで、すぐに何かを買うつもりはない」
「できれば、自分でできる範囲で解決したい」

この明確な温度差に、企業側が気づいていないと、「ホワイトペーパーでリードは獲得できたけど、全然商談につながらない…」と悲しい結果になってしまいます。

読者は「自分の目の前の問題や課題が解決したいだけ」で、製品やサービスを使いたいわけではない。

ここに気づかない限り、「商談につながる」目的が遠のいてしまいます。

理由② 商談への「順番」を間違えている

多くの企業が、ホワイトペーパーを作った後の「順番」を間違えているかもしれません。

せっかく時間やコストをかけて作ったホワイトペーパーなのに、その「目的」を間違える・ズレていくと、本来得られるはずの成果を逃してしまいます。

ホワイトペーパーは、まず第一に「読者の課題解決に役立つこと」、そして「読者の期待を上回る満足感を与えること」が最優先です。

あなたの会社が、読者の課題を深く理解し、それに対する価値ある情報を提供できた時、読者は「この会社は私のことを本当に考えてくれている」「信頼できる」と感じます。

「信頼」が生まれた段階で、ようやく読者はあなたの会社に対して少しずつ興味を持ち始め、「もしかしたら、この会社なら、もっと良い解決策を提供してくれるかもしれない」「一度、話を聞いてみてもいいかな」と少しずつ前向きな気持ちが芽生える。

この順番を無視して、ホワイトペーパーをダウンロードした直後から製品やサービスの売り込みを始めたり、ホワイトペーパーの内容自体が自社製品の宣伝ばかりになっていたりすると、読者はすぐに離れていってしまいます。

つまり、ホワイトペーパーを作ったなら、まずは読者に「満足」と「信頼」を提供する。

ここが、商談へつながるための、確率が高い第一歩となります。

順番を間違えないことが、せっかくかけたコストを無駄にしないために非常に重要です。

ホワイトペーパーを商談につなげるための複合的な要素

「質の良いホワイトペーパーを作ったのに、なぜ商談につながらないんだ?」と感じる疑問、実は「ホワイトペーパー単体で全てが解決する」イメージや誤解から生まれています。

ホワイトペーパーは、あくまで「商談」または「ゴール」へ向かう、一連のプロセスの重要なつなぎ役であり、それ単独で全てを成し遂げられるわけではありません。

商談の獲得は、様々な要素が絡み合い、それぞれの段階がきちんと整備されて初めて実現します。

(前段階)ホワイトペーパーそのものが持つべき「商談につながる力」

まず、商談につながるホワイトペーパーであるために、資料自体に以下の力が備わっているかを確認しましょう。

「この会社、信頼できるな」と思わせる専門性と独自性

ホワイトペーパーに書かれている情報が、ありきたりなものではなく、「ここでしか得られない専門的な知見」や「あなたの会社ならではの独自の視点」で書かれていますか?

世の中に溢れる情報と似たり寄ったりの内容では、「ふーん」で終わってしまい、読者はあなたの会社に特別な信頼を抱きません。

また、AIによる情報収集が一般的となり、すぐ調べられる情報などの価値は大きく下がっている状況です。

そのため読者が「この情報、本当に役に立つ」「この会社は深い知識がある」と感じてもらえた時、初めてあなたの会社への信頼感が生まれます。

これが、その後の商談へと進むための土台となるのです。

「まさに私のための情報だ!」と感じてもらえる課題への深い貢献

あなたのホワイトペーパーは、読者が本当に抱えている悩みや課題に対して、深く寄り添い、具体的な解決のヒントや方向性を示せているでしょうか?

読者が「これこれ!まさに私が知りたかったのはこれだ!」「この情報があれば、私の問題が解決できるかもしれない」と感じるような内容が求められます。

一般的な話ばかりではなく、読者の心に響くような具体的な事例や視点が含まれていることが、読者の行動を促す力になります。

(後段階)リード獲得後の「動き方」が商談の成否を分ける

ホワイトペーパーがダウンロードされた後、つまりリード(見込み顧客)を獲得した後の動きこそが、商談につながるかどうかを大きく左右します。

「今、話を聞きたい」タイミングを見極めるリードの状況把握

ホワイトペーパーをダウンロードしたお客様みんなが、すぐに具体的な話を聞きたいと思っているわけではありません。

中には情報収集を始めたばかりの人もいれば、すでに真剣な比較検討をしている人も。

そのため重要なのが、ダウンロードしたお客様が、今どのくらいの「温度感」で、どんな状況にあるのかを把握できているかどうか。

もし、すぐに商談する準備ができていないお客様へ、いきなり営業電話をかけてしまっては、煙たがられて終わりですよね。

お客様が「今、まさに解決策を求めている!」と思っていた最適なタイミングでアプローチすることが、商談につながるかどうかの大きな分かれ道になります。

リードを「お客様」へと育てるナーチャリング

すべてのリードがすぐ商談につながるとは限りません。

むしろ、多くのリードはまだ「潜在層」や「準顕在層」ですが、「いつか顧客になる」可能性を秘めているなら、その種を育てなければなりません。

ホワイトペーパーをダウンロードしたお客様に対し、その後定期的に役立つ情報(メルマガ、関連ブログ記事、無料ウェビナーの案内など)を提供をする。

これを「ナーチャリング(見込引き上げ)」と呼びますが、信頼関係を築き、お客様の課題意識を徐々に高め、あなたの会社の専門性や解決策の有効性を伝えることで、お客様が「もっと詳しく知りたい」「この会社に相談したい」気持ちになるのを待つ施策であり、ホワイトペーパーを活用するならとても重要な思考となります。

「今だ!」というアプローチのタイミング

ナーチャリングを続けている中で、お客様があなたの会社のウェブサイトで特定の製品ページを何度も見ていたり、関連するホワイトペーパーを複数ダウンロードしたり、あるいは無料の相談会に申し込んだり…色々な「行動」を起こすことがあります。

これらの行動は、「お客様の興味関心が高まっているサイン」です。

この「今だ!」と思うタイミングを逃さずに、適切なアプローチをすることが重要。

お客様の行動からニーズを読み取り、「この情報に関心がおありのようですが、何かお困りごとがありますか?」と、お客様の状況に合わせた声かけをすることで、スムーズに次のステップへと進めることができます。

お客様の状況に合わせたコミュニケーション

たとえば、お客様がまだ情報収集段階なのに、いきなり「デモンストレーションしましょう!」「実際に使ってみてください!」と提案しては、お客様は引いてしまいませんか?

お客様の状況に合わせて、

「まずはお困りごとをじっくり伺いましょうか?」(情報提供型)
「具体的な状況に合わせて、最適な方法を一緒に考えませんか?」(相談型)
「弊社の製品が、御社の課題をどう解決できるか、ご説明しましょうか?」(提案型)

と、最適なコミュニケーションを選ぶことが重要です。

商談につながる鍵は「5つの要素」

ホワイトペーパー活用後の商談獲得は、以下5つの要素が揃って初めて効果を発揮します。

要素① 信頼を獲得できたか
ホワイトペーパーを通じて、読者に「この会社は信頼できる」と思わせる質を提供できたか。

要素② 行動を起こすタイミングで接触できたか
読者の購買意欲が高まっている「今だ!」という瞬間に、適切なコミュニケーションをとれているか。

要素③ 行動を起こしてもらえるコミュニケーションをとったか
読者が次に進むべきステップ(相談、資料請求など)が明確で、心理的ハードルが低いか。

要素④ 行動を起こすタイミングを普段のコミュニケーションから判断できたか
ナーチャリングを通じて、読者の興味関心の変化や、次に進みたいというサインをキャッチできているか。

要素⑤ 見込み顧客の状況に最適なアプローチができたか
読者の状況(情報収集段階、相談段階、検討段階)に合わせた、最適なレベルの商談を設定できたか。

ホワイトペーパーは、ダウンロードされたらすぐ商談につながる短期的な成果を出すためのツールではありません。

そもそもホワイトペーパー施策は、そういった一発勝負のものではないのです。

そのため、「これをしたから商談につながった!」と単発の施策による成果ではなく、様々な施策を複合的に組み合わせ、中長期的な視点で顧客と関係を築いていくことで、初めて商談へとつながっていくのです。

しかし、その中でもホワイトペーパーは、見込み顧客と「深い接点」を作るための非常に強力なツールであることに変わりはありません。

だからこそ、その最初の「接触機会」をどう作り、お客様に「情報をどのように見せればいいのか」は、とことん神経を注ぐ必要があるのです。

チームで成果を出すために

ホワイトペーパーを「商談につながる」資産とするためには、単に良い資料を作るだけでなく、それをどう使い、どう育てるか、そしてチーム全体でどう取り組むかが非常に重要です。

「作った後」が重要!成果測定と改善のPDCAサイクルが大事

ホワイトペーパーは作って終わりではなく、むしろ作った後からが本当の勝負です。

どんな成果が出たか具体的な数字を把握(KPIの設定・確認)

「商談につながったか」を判断するには、漠然と「なんとなく良さそう」ではなく、具体的な数字で成果を測る必要があります。

ダウンロード数だけでなく、ダウンロード後にどれくらいの人が資料を最後まで読んだか(閲覧時間、スクロール率)、次の行動(例えば、無料相談の申し込みやウェビナーへの参加)にどれくらいの人が進んだか、そして最終的に何件の商談につながり、何件の契約が決まったかまで、細かく数字で見ていくことが大切です。

これらの目標数値をKPI(重要業績評価指標)と呼びます。

ただし、ホワイトペーパー自体には計測機能がないため、計測できるプログラムを別途用意したり、計測可能なツール・プラットフォームを活用することになります。※ 難しい場合はダウンロード数・商談数・契約数などをKPIにするのが一般的。

数字から何がわかる?どこで止まっている?(効果測定と分析)

設定したKPIを定期的にチェックすることで、何が良くて悪いのかが分かってきます。

もしダウンロード数は多いのに、その後の商談につながる数が少ないなら、どこかにボトルネックがあるとも言えますよね。

  • ホワイトペーパーの内容が読者の期待に応えられていない?
  • ダウンロード後のフォローアップが足りない?
  • アプローチのタイミングがズレている?

数字を分析することで、どこに問題があるのかが具体的に見えてくる。

これは、病気になった時に症状を見て原因を探るのと似ており、正確な診断が適切な治療(ホワイトペーパー施策の改善)につながります。

分かったことを活かして次の改善PDCAへ

分析して分かった問題点を、そのままにしていてはいけません。

改善①
・ホワイトペーパーの内容をより読者目線に改善する。

改善②
・ダウンロードを促すウェブサイトのページ(ランディングページ)のメッセージを変えてみる。

改善③
・ダウンロード後のメールの文章や送るタイミングを見直す。

このように、改善策を実行し、またその効果を測定。

計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Act)のPDCAサイクルを繰り返すことで、ホワイトペーパーの成果をどんどん高めていけます。

一度きりの努力ではなく、継続的な努力が実を結ぶ典型的なマーケティング活動の例。

読者に届けるための「見せ方」戦略(プロモーション)

どんなに素晴らしいホワイトペーパーを作っても、お客様に見てもらえなければ意味がありません。

いつ、どこで、誰に見てもらいたいのか考える、プロモーション戦略が商談増加に貢献します。

多様なチャネルの活用

ホワイトペーパーを配布する場所として一般的なのは、自社のウェブサイト。

しかし、自社サイトで関りを持てる、ホワイトペーパーを求めてくれる方との繋がりは数が限られています。

そのため、少しでもターゲットと接触する機会が作れるよう、多様なチャネルを活用していきましょう。

オウンドメディア
・会社のブログ記事から関連するホワイトペーパーへ誘導する。
・Google検索で上位表示されるように、コンテンツを最適化する(SEO対策)。
・お客様に役立つ情報を提供するメールマガジンで紹介する。
・セミナーやウェビナーを開催し資料としてホワイトペーパーを配布する。

ペイドメディア
・Google検索に出てくる広告(リスティング広告)や、他のウェブサイトに表示されるバナー広告(ディスプレイ広告)で宣伝する。

アーンドメディア
・FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などのSNSで、ホワイトペーパーの内容を少しだけ紹介してダウンロードを促す。

このように、お客様が普段情報収集しているであろう様々な場所で、ホワイトペーパーの存在をアピールすることが重要です。

お客様がいる場所でアピールしなければ、そもそも存在の認知もしてもらえないので、集客や接触場所を増やす考え方が、ホワイトペーパーによる商談獲得数増加のカギになる。

「ダウンロードしたい!」と思わせる入り口作り(ランディングページの最適化)

ホワイトペーパーのダウンロードを促すためのウェブページ、これを「ランディングページ(LP)」と呼びます。

LPの出来栄えが、ダウンロード数を大きく左右する。

・ホワイトペーパーのタイトルは、お客様の心に響く魅力的で分かりやすいものか?
・読者がどんな悩みを解決できるのか、簡潔に伝わるリード文になっているか?
・目次を見て「面白そう!」と感じるか?
・個人情報を入力するフォームは入力しやすく項目が多すぎないか?※ 例えば会社の電話番号まで必須にすると心理的なハードルが上がる

読者が「読んでみたい!」と感じ、迷わずダウンロードできるような、分かりやすく魅力的なLPにすることが大切です。

LPは、お客様がホワイトペーパーと出会う最初の顔のようなものなので、初対面の印象であったり、使いやすさが大きく成果に関わってきます。

検索から見つけてもらう工夫(SEO対策)

お客様がGoogleなどで検索した時に、あなたのホワイトペーパーが上位に表示されれば、常に新しいお客様に見つけてもらえるチャンスが生まれます。

お客様がどんなキーワードで検索するかを考え、ホワイトペーパーのタイトルや内容、LPの文章に、それらのキーワードを適切に含めることで、検索エンジンからのアクセス(自然検索流入)を増やすことができます。

一度設定すれば継続的にリードを獲得できる、非常に効率的な方法にもなる。

まるで、お客様が困った時に、あなたの会社のホワイトペーパーが「ここだよ!」と手を振って教えてくれるようなものです。

昨今はGoogleに対するSEO対策ではなく、生成AI向けのAIO対策が主流になりつつあります。

営業とマーケティングは一つのチームに!

「商談につながるホワイトペーパー」を実現するには、ホワイトペーパーを作るマーケティングチームと、そのリードと実際に話す営業チームが、バラバラに動いていてはいけません。

両者がまるで一つのチームのように密な連携をとることが、成功へのカギとなります。

「商談」のゴールを一緒に決める(共通のSQL定義)

マーケターが「このリードは商談可能だ!」と判断して営業に渡しても、営業が「いや、これはまだ早い」「話にならない」と感じてしまっては、せっかくの機会を無駄にしてしまいます。

営業とマーケターが「どんな状態のリードなら、商談に進めても良いか」を具体的に話し合い、共通のルール(SQL:Sales Qualified Leadの定義)を決めることが重要です。

例えば、「ホワイトペーパーをダウンロードした上で、さらに無料相談に申し込んだリードなら、商談化して良い」といった具合に、明確な基準を設ける。

この共通認識があれば、無駄なやり取りが減り、効率的に動けるようになります。

お客様の情報を共有する仕組み作り(情報共有の仕組み)

マーケターが「このお客様は、以前あのホワイトペーパーをダウンロードして、最近この製品ページを何度も見ていますよ」と情報を持っているのに、営業がそれを知らずにアプローチしてしまっては、非効率ですよね。

お客様のウェブサイト上の行動履歴や、ダウンロードした資料、過去のメールのやり取りなどを、営業とマーケターがいつでも確認できるような仕組み(CRM/SFAなど顧客管理システム)を導入し、活用することが非常に重要です。

これにより、営業はよりお客様の状況に合わせたパーソナルなアプローチができるようになります。

お客様のこれまでの行動が分かることで、まるで事前にお客様のプロフィールを読んでから話すように、スムーズな会話を始めることができます。

お互いが行うフィードバックの大切さ

営業がお客様と直接話す中で、「このホワイトペーパーの、ここの情報が商談で役に立った!」「こういう情報が、もっと欲しかったと言われた」などの具体的な声は、マーケターにとって非常に貴重な財産です。

営業からマーケターへ、定期的にこれらの「お客様の声」をフィードバックする場を設けましょう。

この情報を元に、マーケターはホワイトペーパーの内容やプロモーション方法、そしてお客様を育成するシナリオを改善していくことができます。

教えて⇒改善して⇒また教えてのサイクルが、チーム全体の力を高めていく。

フィードバックによる改善を繰り返すことで、営業とマーケターが本来目指したかった、ホワイトペーパーからの商談数最大化に繋がります。

最後に

ホワイトペーパーは、単なるリード(見込み顧客)獲得するための資料ではありません。

まだあなたの会社のことをよく知らない見込み顧客と「深い接点」を作り、信頼を築き、最終的に「商談」へとつなげるための、非常に戦略的なマーケティングのツールです。

その効果を最大限に引き出すためには、

ポイント①
ホワイトペーパー自体の「質」を読者視点で徹底追求し理解と納得を促すこと。

ポイント②
ホワイトペーパー作成で終わらず、リード獲得後のフォローアッププロセスを綿密に設計し、実行すること。

ポイント③
営業とマーケティングのチームが密に連携し共通のゴールに向かって協力し合う。

これら全てが揃って初めて、あなたの会社のホワイトペーパーは、本当に「商談へつながる」強力な資産となります。

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著者:エンプレス編集部 sugiyama(運営会社ファングリー
住所:東京都渋谷区南平台町15-13 帝都渋谷ビル5F
2012年よりwebデザイナーとしてデジタルマーケティングの支援を開始。その後はマッチングプラットフォームの立ち上げ、売上ゼロからグロースに携わり黒字化後に事業譲渡。現在は「エンプレス」にてプロジェクトマネージャーを務め、コンテンツ制作から運用、100社以上のお客様支援を通して得たノウハウもコラムで投稿中。
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